東京オリンピックの開催まで1年を切り、卓球男子の日本代表選手が誰になるか気になるところです。
シングルス出場選手の2名は2020年1月の世界ランキングの日本選手の上位2名とすることが日本卓球協会から発表されています。
この選考基準をもとに、卓球男子の日本代表選考レースの状況を分析していきます。
卓球女子の日本代表選考の考察についてはこちら
日本男子の世界ランキング(2019年8月版)
卓球の世界ランキングは、国際大会での成績に応じて与えられるランキングポイントで決まります。
まずは、現在(2019年8月時点)の日本男子の上位10名の世界ランキングを見てみましょう。
順位 | 選手名 | ランキング ポイント |
5位 | 張本智和 | 13345 |
10位 | 丹羽孝希 | 11200 |
14位 | 水谷隼 | 10195 |
43位 | 吉村和弘 | 5820 |
48位 | 吉村真晴 | 5535 |
49位 | 大島祐哉 | 5500 |
50位 | 上田仁 | 5480 |
56位 | 森薗政崇 | 5090 |
59位 | 松平健太 | 5000 |
76位 | 及川瑞基 | 4565 |
世界ランキング5位の張本智和は10位の丹羽孝希と2000ポイントの差があり一歩リードしています。
丹羽孝希と水谷隼は約1000ポイントの差で接戦です。
と吉村和弘と水谷隼は差が4000ポイント以上あり、吉村和弘が上位3選手を逆転するのは難しいでしょう。
東京オリンピックのシングルスの日本代表は張本智和、丹羽孝希、水谷隼の選手の戦いになりそうです。
2020年1月のランキングポイント
シングルス出場選手の2名は2020年1月の世界ランキングの日本選手の上位2名となります。
世界ランキングを決めるランキングポイントには下記のルールがあります。
- 付与されたランキングポイントは翌年の同大会の間有効。
- 世界ランキングは上位8大会の取得したランキングポイントを足しポイントが大きいほうが上位となる。
(ただし、T2ダイヤモンドで取得したランキングポイントは上位8大会とは別に加算される。)
2020年1月の世界ランキングで有効なランキングポイントは、2019年に取得したポイントのみとなり2018年に取得したポイントは無くなります。(世界卓球2018(団体戦)を除く。)
2020年1月の世界ランキングの順位を予想するには2019年の大会と世界卓球2018年の上位8大会とT2ダイヤモンドのランキングポイントを合計したポイントを見る必要があります。
張本智和、丹羽孝希、水谷隼の3選手の2020年1月の世界ランキングで有効なランキングポイントはこのようになります。
- 張本智和:9535ポイント
- 水谷 隼:7840ポイント
- 丹羽孝希:7690ポイント
現在の世界ランキングでは日本で2位の丹羽孝希は2020年1月に有効なポイントだけだと3番手となっていることが分かります。
現時点では、張本智和が一歩リードしていますが油断をすると水谷隼や丹羽孝希に逆転される可能性があります。
水谷隼と丹羽孝希は僅差であり選考レースはこれから激しくなることでしょう。
取得ランキングポイントの詳細と今後の大会の予定
張本智和、丹羽孝希、水谷隼の3選手の2020年1月の世界ランキングで有効なランキングポイントの獲得状況の一覧表です。
赤字がランキングポイント取得の上位の8大会です。青字がT2ダイヤモンドのボーナスポイントになります。
世界ランキングを決めるランキングポイントは赤字と青字を足したポイントになります。
選手 | 張本智和 | 丹羽孝希 | 水谷隼 | |||
2020年1月 ランキング ポイント | 9535 | 7690 | 7840 | |||
2018世界卓球 | 5勝 | 1250 | 3勝 | 750 | 6勝 | 1500 |
カタールOP | ベスト8 | 1125 | ベスト16 | 900 | ベスト8 | 1125 |
アジアカップ | ベスト4 | 1080 | 3位 | 1170 | – | |
世界選手権 | ベスト16 | 1200 | ベスト8 | 1500 | ベスト32 | 900 |
中国OP | ベスト4 | 1465 | ベスト16 | 900 | ベスト16 | 900 |
香港OP | 2位 | 1440 | ベスト16 | 720 | ベスト8 | 900 |
ジャパンOP | ベスト32 | 675 | ベスト32 | 675 | ベスト16 | 900 |
韓国OP | ベスト8 | 900 | ベスト32 | 540 | ベスト32 | 540 |
オーストラリアOP | ベスト32 | 675 | ベスト32 | 675 | ベスト32 | 675 |
T2Diamond マレーシア | ベスト16 | 400 | ベスト16 | 400 | ベスト16 | 400 |
ブルガリアOP | 参加予定 | 参加予定 | 参加予定 | |||
チェコOP | 参加予定 | 参加予定 | 参加予定 | |||
アジア選手権 | ||||||
T2Diamond 中国・海口 | ||||||
スウェーデンOP | ||||||
ドイツOP | ||||||
チームWC | ||||||
オーストリアOP | ||||||
T2Diamond シンガポール | ||||||
男子WC | 参加予定 | 参加予定 | ||||
グランドFINAL |
6月のジャパンオープン以降は3選手とも、あまり良い成績は残せていません。
そのため、8月以降の大会で少しでも良い成績を残せれれば、2020年1月時のランキングポイントは大きく増やすことが出来ます。
この表の後半に記載されている大会が、東京オリンピックの選考に影響する大会です。
特に注目すべき大会は下記の大会です。
ブルガリアオープンとチェコオープン
ワールドツアーのブルガリアオープンとチェコオープンは中国の上位の選手の出場がないため、好成績が狙いやすい大会となっています。
逆に、ここで取りこぼしがあれば、東京オリンピックの日本代表争いに大きく響きます。
T2ダイヤモンド
T2ダイヤモンドで取得したポイントは上位8大会とは別にランキングポイントに加算されます。
まずは、出場することが大切となります。できる限り上位入賞することでライバルと差を付けることが出来ます。
ワールドカップ
ワールドカップは、張本智和と水谷隼が参加します。
ここで好成績を残せば日本代表へ大きく近づくことができるでしょう。
グランドファイナル
世界選手権、ワールドカップに次ぐランキングポイントの高い大会となります。
東京オリンピックの出場をかけた最後の大会にもなりますので、非常に大切な大会となります。
まとめ
卓球男子の東京オリンピックの日本代表の選考レースは激しくなってきています。
2020年1月で有効なランキングポイントを見ることで、現在の世界ランキングだけでは分からない選考レースの状況が分かったのではないでしょうか?
ワールドツアーなどの国際大会も東京オリンピックの選考の大会という視点でみると面白さも増えるのではないでしょうか。